
10年後(2036年ごろ)もタクシードライバーの仕事は残るが、中身は変わる、というのが大方の見方です。
東京では2027年中の完全無人化が目指されていますが、台数は約100台規模からの段階的な拡大です。
10年後のタクシードライバーはどうなる?結論
現在、タクシードライバーの乗務が「なくなる」と断定できる根拠は今のところありません。
ただし、都心の一部では無人化が先行し、「人が乗る意味」のある仕事に重心が移る可能性があります。
「無人」という言葉として、色々と興味深いことになりそうです
- 事実東京では2027年中の完全無人(レベル4)タクシーの商用運行が目指され、台数は段階的に約100台規模まで拡大する計画
- 事実運転者数は令和5年3月末を底に増加傾向。平均年齢は高く、人手不足は続いている
- 事実日本版ライドシェアは2024年4月に開始。全面解禁の扱いは、今後の制度設計しだいで確定していない
- 事実外国人ドライバーの受け入れは、特定技能制度の見直しで広がる方向(2026年4月に要件を緩和)
- 編集部予測10年後は「無人車が走るエリア」と「人の乗務員が求められる場面」が併存し、収入も働き方や技能による差が広がる
※本記事は2026年10月18日時点で確認できた公的資料と報道をもとにしています。
「編集部予測」の部分は、将来を保証するものではありません。
今のタクシードライバーの現状|人数・年齢・収入
要点:運転者数は回復基調ですが、平均年齢は高めです。収入は上昇傾向でも、全産業平均にはまだ届いていません。
| 項目 | 確認できた内容 | 出典 |
|---|---|---|
| 運転者数の推移 | 令和元年度から令和4年度に約5万人減少。令和5年3月末に底を打ち、増加傾向 | 国土交通白書 |
| 運転者数(法人) | 令和5年度は217,161人。2024年10月末までの直近12か月で約9千人増加 | 厚生労働省の資料 |
| 平均年齢 | 60.2歳(令和5年度の資料)。令和7年の賃金構造基本統計調査(全タク連の整理)では56.8歳 | 厚生労働省/全タク連 |
| 平均年間給与 | 令和4年の361万円から令和6年には418万円に増加 | 国土交通白書 |
| 全産業との比較 | 令和7年の年間推計額は、タクシー運転者が約451万円、全産業が約546万円。年間労働時間は約2,304時間と約2,076時間 | 全タク連(賃金構造基本統計調査) |
※出典ごとに調査の対象や年、算出方法が異なるため、数値は直接比較できません。平均年齢が資料によって異なる点も、調査の標本や年による差と考えられます。
変化① 自動運転タクシーはどこまで進むか
要点:東京で2027年中の無人運行が目指されています。ただし、規制当局の承認と検証が前提で、台数は段階的です。
確認できている動き
- 事実GO・Waymo・日本交通は2026年9月15日、2027年中に東京で完全無人(レベル4)タクシーの商用運行を目指すと発表
- 事実最初は少数で始め、段階的に東京の主要エリアで約100台規模へ広げる計画。約100台は拡大後の目標で、開始時の台数ではない
- 事実2025年から都内7区で公道テストが続き、現在は日本交通の乗務員が同乗する形で実施
- 事実利用者は、GOアプリとWaymoアプリの両方から配車する想定
- 事実国土交通省は、2030年度までに自動運転サービス車両(バス・タクシーなど)を全国で1万台とする目標を掲げている。2027年度中のレベル4を目指す自治体の取り組みも始まっている
10年後の見通し
編集部予測東京の路線が整った地域や時間帯では、無人車が一定の割合を担う可能性があります。
一方、約100台という規模は、都内のタクシー全体と比べるとごく一部です。
台数が増えるのは、天候、複雑な路地、乗降の介助などの課題を一つずつ解決できた後と考えられます。
10年後に「首都圏の全タクシーが無人」になっているとは、編集部は見ていません。
収入への影響については、別の記事で詳しく取り上げています。
変化② ライドシェアは仕事を奪うのか
要点:日本版ライドシェアは、タクシー会社が運行主体となる形で2024年4月に始まりました。全面解禁は確定していません。
- 事実日本版ライドシェアは2024年4月に開始され、運行主体はタクシー会社に限られる
- 事実その後、全国ハイヤー・タクシー連合会は「日本版ライドシェアの普及促進」や、自治体が主体となる「公共ライドシェア」への参画を取り組みに挙げている
- 事実日本経済新聞は、「日本版ライドシェア、全面解禁見送り」「大都市8割減、浸透せず」との見出しで報じている(本文は有料のため、見出しの範囲での確認)
編集部予測制度は今後も見直しが続くとみられ、10年後の姿は読み切れません。
ライドシェアが拡大した場合は、繁忙時間帯の競争や運賃体系への影響が論点になります。
タクシーの強みである、安全管理、教育を受けた乗務員、車両の整備体制をどう活かすかが、会社選びの目安になります。
変化③ 人手不足と外国人ドライバー
要点:運転者の確保は引き続き課題とされ、外国人ドライバーを受け入れやすくする制度改正も進んでいます。
- 事実国土交通白書では、バス・タクシーの運転者確保は「喫緊の課題」とされている
- 事実2024年から、タクシー運転者が特定技能1号の対象になった
- 事実国土交通省は2026年4月10日、日本語能力の要件に、従来のB1相当に加えてA2.2相当も認める告示改正を公表し、原案どおり公布・施行された。A2.2相当の場合は、日本語学習体制の整備や、原則として同乗者の配置などが求められる
- 確認不可外国人ドライバーが実際に何人増えるかは、今回の調査では確認できませんでした
編集部予測人手不足が続く間は、日本人の未経験者や女性、シニアの採用も続くと考えられます。多言語対応や接客力は、外国人客が増える首都圏で強みになりやすいでしょう。
10年後の3つのシナリオ(編集部予測)
要点:未来は一つではありません。現時点の材料から、3つのシナリオに分けて考えます。
| シナリオ | 内容 | ドライバーへの影響 |
|---|---|---|
| A:併存型 | 無人車が都心の一部で拡大し、有人タクシーも残る | 無人車では難しい場面(介助、荷物、複雑な乗降、観光案内)で人の価値が高まる。収入は技能と働き方で差が出る |
| B:急拡大型 | 技術と規制が想定以上に進み、無人車が大きく増える | 需要の一部を無人車が担い、乗務員の需要が減る地域が出る。転職やスキル転換の準備が重要 |
| C:停滞型 | 技術・規制・事故への懸念で、拡大が遅れる | 人手不足が続き、有人タクシーの需要が高い状態。運転者の確保競争で待遇が改善する可能性 |
※どのシナリオになるかは、技術、法制度、事故、社会の受け入れ方など、多くの要因で変わります。編集部が確率を示すことはできません。
10年後も選ばれるドライバーの特徴と、今からできる備え
要点:無人車と差がつくのは、接客・判断・専門性です。今のうちに、長く使えるスキルを身につけておくと安心です。
- 編集部予測高齢の方や車いすの方への介助、荷物の積み下ろしなど、人の手が必要な対応
- 編集部予測観光客への案内、多言語での簡単な会話
- 編集部予測急な予定変更や、道路状況に応じた柔軟な判断
- 編集部予測配車アプリやデジタル機器を使いこなす力
- 編集部予測福祉・介護タクシー、ハイヤー、観光など、専門性の高い分野
ドライバーに向いている人の特徴は、次の記事でも解説しています。
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今、タクシー会社を選ぶときのチェックポイント
要点:10年先を見るなら、給与だけでなく、会社の安定性、教育、デジタル対応を確認しましょう。
- 配車アプリや大手グループへの加盟など、安定して集客できる仕組みがあるか
- 未経験者向けの研修や給与保証の内容(期間・条件)が明確か
- 賃金体系(固定給・歩合率・足切り)が具体的に説明されるか
- EVやJPN TAXIなど、新しい車両への対応が進んでいるか
- 福祉・観光・ハイヤーなど、専門分野に進めるキャリアがあるか
- 再雇用や定年後の働き方の制度があるか
よくある質問
10年後、タクシードライバーの仕事はなくなりますか?
なくなると断定できる根拠は、今のところ見当たりません。東京では2027年中の完全無人タクシーの商用運行が目指されていますが、台数は段階的に約100台規模まで広げる計画です。一方、運転者数は令和5年3月末を底に増加傾向にあり、仕事の中身が変わっていく可能性が高いと編集部は考えています。
完全無人のタクシーは、いつ東京を走りますか?
GO・Waymo・日本交通は2026年9月15日、2027年中に東京で完全無人(レベル4)タクシーの商用運行を目指すと発表しました。規制当局の承認と検証の完了が前提で、商用運行が確定したわけではありません。
ライドシェアが全面解禁されると、タクシードライバーはどうなりますか?
日本版ライドシェアは2024年4月に、タクシー会社が運行主体となる形で始まりました。全面解禁の可否は今後の制度設計しだいで、現時点では確定していません。制度が変わる場合は、競争の激化や運賃・働き方への影響が議論される点に注意が必要です。
タクシードライバーの収入は10年後に上がりますか?
将来の収入は誰にも断言できません。国土交通白書では、タクシー運転者の平均年間給与は令和4年の361万円から令和6年には418万円に増加したと示されています。ただし、令和7年の賃金構造基本統計調査でも全産業の平均を下回っており、今後は働き方や技能による差が広がる可能性があります。
外国人のタクシードライバーは増えますか?
2024年からタクシー運転者が特定技能制度の対象になり、2026年4月10日には日本語能力の要件が見直されました。従来のB1相当に加えてA2.2相当も認められますが、同乗者の配置などの条件が付きます。実際にどれだけ増えるかは、現時点では確認できませんでした。
今から未経験でタクシードライバーになるのは遅いですか?
遅いとは言い切れません。無人化は都心の一部のエリアから段階的に進むとみられ、当面は人の乗務員も求められています。ただし長期的な変化に備え、接客力や地理、福祉・観光などの専門性、会社の安定性を重視して選ぶことをおすすめします。
まとめ
10年後のタクシードライバーは、「なくなる仕事」と断定するより、「役割が変わる仕事」と考えるほうが、現時点の材料には合っています。東京では2027年中の完全無人運行が目指されていますが、台数は段階的に約100台規模まで拡大する計画です。運転者数は回復基調で、人手不足や外国人ドライバーの受け入れも続いています。
ライドシェアの扱いや技術の進み方には、不確実な点が残ります。接客・判断・専門性を磨き、安定した会社を選ぶことが、10年先に向けた現実的な備えです。
※本記事は2026年10月18日時点の情報にもとづく編集部の整理です。将来の予測は、実現を保証するものではありません。
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事実と予測の区分一覧
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 事実 | GO・Waymo・日本交通の2027年中の無人運行の目標(2026年9月15日発表)/都内7区での公道テスト/運転者数の底(令和5年3月末)と増加傾向/法人運転者数217,161人(令和5年度)/平均年間給与361万円→418万円/令和7年の賃金構造基本統計調査(全産業との比較)/日本版ライドシェアの2024年4月開始/特定技能の対象化(2024年)と要件見直し(2026年4月10日)/自動運転車両1万台の国の目標(2030年度) |
| 編集部予測 | 無人車と有人車の併存/人の乗務員の価値が高まる場面/収入の二極化の可能性/3つのシナリオ/選ばれるドライバーの特徴 |
| 確認不可 | 外国人ドライバーの実際の増加数/ライドシェア全面解禁の最終的な扱い(日経は見出しのみ確認)/最新の運転者数(令和6年度以降)/無人タクシーの商用運行の確定時期/10年後の台数・収入 |
調査した情報源と確認できなかった項目
調査した情報源
- GO・Waymo・日本交通の提携に関する報道(NOVAIST ほか、2026年9月15日の発表)
- 国土交通白書2025(運転者数、平均年間給与)
- 厚生労働省「タクシーの現状 2025」資料(運転者数、平均年齢)
- 全国ハイヤー・タクシー連合会「令和7年度賃金構造基本統計調査」の整理
- 国土交通省 中部運輸局の発表(2026年8月21日、自動運転社会実装推進事業)
- 国土交通省の特定技能に関する告示改正(2026年4月10日公表、物流専門誌の報道を経由)
- 日本経済新聞の日本版ライドシェアに関する記事(見出しのみ確認)
確認できなかった項目
- 令和6年度以降の全国の運転者数
- 外国人ドライバーの実際の人数
- 日本版ライドシェアの最新の台数・利用実績
- 10年後の台数・収入・採用数(予測不能のため、数値は記載していません)
※無理な応募・勧誘は一切ありません




