
都内の法人タクシー運転手に法律上の上限年齢はありません。
下限は二種免許の要件で原則21歳(特例教習なら19歳)、実際の上限は各社の定年・継続雇用規定で決まり、70代前半まで働ける会社もあります。
一方、個人タクシーは「開業65歳未満・更新75歳未満」という明確な年齢要件があります。
本記事では、法律・会社規定・東京タクシーセンターの最新データをもとに、都内(特別区・武蔵野市・三鷹市)で「実際に何歳から何歳まで働けるのか」を整理します。
都内タクシー運転手の年齢制限早見表
| 項目 | 年齢の目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| 運転手になれる最低年齢 | 原則21歳(特例教習で19歳) | 道路交通法(二種免許の受験資格) |
| 法人タクシーの上限 | 法律上の上限なし | 各社の定年・継続雇用規定で決まる |
| 会社の定年 | 60〜65歳が中心 | 高年齢者雇用安定法(60歳以上の定年、65歳までの雇用確保) ※一部の会社で65歳代でも面接~雇用を実施 |
| 個人タクシーの開業 | 65歳未満 | 国土交通省の審査基準 |
| 個人タクシーの営業上限 | 75歳未満(更新) | 国土交通省の審査基準 |
| 追加の安全ルール | 65歳以上 | 適齢診断の受診義務 |
この章のポイント
- 「タクシーは何歳まで」の答えは、法人か個人かで大きく変わります
- 法人タクシーは、会社選びにより、採用され、そのまま「働ける年齢」として乗務できます
何歳からなれる?下限は二種免許の受験資格で決まる
タクシーで旅客を乗せるには普通自動車第二種免許が必要です。
道路交通法上、二種免許の受験資格は21歳以上かつ普通免許等の保有期間3年以上が原則です。
ただし2022年5月13日の改正道路交通法施行により、教習所で「受験資格特例教習」を修了すれば、19歳以上・普通免許等の保有期間1年以上で受験できるようになりました。
特例で取得した人は21歳になるまで「若年運転者期間」となり、この期間に違反点数が一定基準に達すると若年運転者講習の受講が義務付けられます。
受講しなければ特例で取った免許は取り消されます。
都内で乗務するにはもう一段階ある
特別区・武蔵野市・三鷹市(特別区・武三交通圏)で法人タクシーに乗務するには、二種免許に加えて東京タクシーセンターでの登録が必要です。
そのために「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」(法令・安全・接遇)に合格しなければなりません。
試験は筆記45問で、36問以上の正解(正答率80%)が合格基準です。
この章のポイント
- 最短なら19歳から二種免許を取得できる(特例教習の修了が条件)
- 都内では二種免許+東京タクシーセンターの試験・登録が必要
- 多くの大手は二種免許の取得費用を会社負担にしている(条件は会社ごとに確認)
何歳まで働ける?法人タクシーの「実際の上限」は会社規定
法人タクシーの運転手には、法律で定められた上限年齢はありません。
上限は各社の経営判断、つまり就業規則の定年と継続雇用制度で決まります。
定年と継続雇用の基本ルール
- 高年齢者雇用安定法により、定年を設ける場合は60歳以上でなければならない
- 65歳までの雇用確保(定年引上げ・継続雇用制度など)は会社の義務
- 70歳までの就業機会の確保は会社の努力義務
このため都内のタクシー会社では、「60〜65歳で定年 → 嘱託・契約社員として継続」という形が一般的です。
※但し、ここのタクシー会社により、定年を引き上げしている会社もある
都内の会社の例
| 会社 | 公表されている内容 | 出典区分 |
|---|---|---|
| 大和自動車交通 | 乗務員の定年は60歳。定年後も嘱託・契約社員として勤務できる場合があると説明 | 公式サイト |
| 帝都自動車交通 | 定年後73歳まで勤務可能と案内。60歳以上向けの契約社員求人を別に掲出 | ハローワーク企業説明会資料(2026年6月) |
※定年・継続雇用の上限は営業所・雇用形態・時期によって異なる場合があります。
応募時は必ず最新の就業規則・募集要項で確認してください。
求人の「64歳以下」はなぜ書かれている?
募集・採用時に年齢制限を設けることは原則として禁止されています。
ただし、定年年齢を上限として、期間の定めのない雇用(正社員)で募集する場合は例外として認められています。
定年65歳の会社が正社員求人に「64歳以下」と書くのはこのためです。
その場合でも、60歳以上向けに契約社員・嘱託の求人を別枠で出している会社があるため、「年齢で応募できない」と早合点しないことが大切です。
この章のポイント
- 法人タクシーの上限年齢は法律ではなく会社規定で決まる
- 定年後に何歳まで乗務できるかは、会社によって大きく違う
- 正社員求人の年齢上限は「定年」が理由のことが多い
65歳以上の運転手に課される安全ルール
高齢の運転手も働ける一方で、安全確保の仕組みが制度として組み込まれています。代表的なのが適齢診断です。
- 65歳以上の運転者には、国土交通大臣が認定した高齢運転者向けの適性診断(適齢診断)を会社が受診させる義務がある
- 基本は65歳到達後1年以内に1回、その後3年以内ごとに1回
- 65歳以上で新たに運転者として選任された人は、選任から1年以内に受診
- 75歳以上になると受診の間隔がさらに短くなる
このほか、75歳以上は運転免許の更新時に認知機能検査などが必要になります。
年齢が上がるほど「健康状態と診断結果が良好であること」が乗務を続ける前提になると考えておきましょう。
この章のポイント
- 65歳以上は適齢診断の定期受診が必須(受診させるのは会社の義務)
- 年齢そのものより「健康と安全運転能力」が継続条件になる
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個人タクシーの年齢制限は明確に決まっている
法人タクシーと違い、個人タクシーには国の審査基準で年齢要件が定められています。
| 項目 | 要件 |
|---|---|
| 新規の開業(許可申請) | 65歳未満 |
| 許可の更新 | 75歳未満 |
| 2023年の見直し | 過疎地などに限り、上限を80歳未満に引き上げ |
2023年に国土交通省が上限を80歳に引き上げたことが報じられましたが、これは過疎地など地方のタクシー不足対策に限った措置です。都内の個人タクシーを目指す場合は「開業65歳未満・更新75歳未満」を前提にキャリアを考えるのが基本です。なお、年齢要件が導入される前から開業していた事業者には適用されないため、75歳を超えて営業している個人タクシーも存在します。
個人タクシーの開業には法人タクシーでの長い乗務経験と無事故・無違反の実績が求められます。将来の独立を考えるなら、遅くとも50代前半までに法人タクシーで経験を積み始めるのが現実的な逆算になります。
この章のポイント
- 個人タクシーは「開業65歳未満・更新75歳未満」
- 80歳への引き上げは過疎地など限定の措置
- 独立を目指すなら、開業年齢から逆算して早めに法人で経験を積む
データで見る都内タクシー運転手の実際の年齢
東京タクシーセンターの公表データ(令和8年8月末)では、特別区・武三交通圏の運転手の平均年齢は次のとおりです。
| 区分 | 人数 | 平均年齢 |
|---|---|---|
| 法人タクシー(運転者証交付数) | 54,587人(うち女性1,943人) | 55.3歳 |
| 法人タクシー(登録運転者数) | 67,486人(うち女性2,675人) | 55.5歳 |
| 個人タクシー(事業者乗務証交付数) | 8,460人(うち女性88人) | 63.7歳 |
出典:公益財団法人東京タクシーセンター「業務のご紹介」(令和8年8月末)
法人タクシー運転手の平均年齢は、2019年度に57.9歳と公表されていました。現在の55.3歳はそこから下がっており、大手各社の新卒・若手採用が進んだことが背景にあるとされています。「タクシー運転手=高齢者の仕事」というイメージは、都内では少しずつ変わりつつあります。
この章のポイント
- 都内の法人タクシー運転手の平均年齢は55.3歳(令和8年8月末)
- 個人タクシーは63.7歳と、法人より8歳ほど高い
- 平均年齢は低下傾向で、若手・女性の採用も進んでいる
年代別|何歳から始めても大丈夫?
| 年代 | 現実的な見通し | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 10代後半〜20代 | 特例教習で19歳から可能。新卒採用を行う大手もある | 若年運転者期間中の違反に注意 |
| 30〜40代 | 定年まで20年以上あり、個人タクシー独立も視野に入る | 歩合制度・昇給・キャリアパス |
| 50代 | 未経験からの転職が多い層。定年後の継続雇用の条件が重要 | 定年年齢と継続雇用の上限 |
| 60代以上 | 60歳以上向けの契約社員求人を出す会社もある | 二種免許費用の会社負担に年齢条件がないか、勤務形態(日勤など) |
年齢が上がるほど、隔日勤務だけでなく日勤・短時間勤務を選べるかどうかが長く続けるためのカギになります。体力面の不安がある方は、タクシー運転手に向いている人の特徴もあわせて確認してください。
年金を受け取りながら働く場合の注意点
60歳以降に厚生年金に加入しながら老齢厚生年金を受け取ると、「在職老齢年金」の仕組みで年金の一部が止まる場合があります。賃金と年金の合計が基準額を超えると、超えた額の半分が支給停止されます(老齢基礎年金は減額されません)。
- 2026年3月までの基準額:51万円
- 令和8年度(2026年4月〜)の基準額:65万円
基準額が大きく引き上げられたため、年金を受け取りながら歩合で稼ぐシニアドライバーにとっては働きやすい環境になっています。基準額は毎年度改定されるため、最新の金額は日本年金機構で確認してください。
年齢で失敗しないための会社選びチェックリスト
応募前・面接で確認したい6項目
- 定年年齢は何歳か(60歳/65歳など)
- 定年後の継続雇用は何歳まで可能か、更新の条件は何か
- 60歳以上の雇用形態(正社員・契約社員・嘱託)と給与体系
- 日勤・短時間など、年齢に合わせた勤務形態を選べるか
- 二種免許の取得費用負担に年齢や在籍期間の条件があるか
- 適齢診断の費用や受診時間の扱い(会社負担か、勤務扱いか)
地方から東京への転職を考えている方は地方から東京でタクシー転職するための手順を、住まいも同時に確保したい方は東京の寮完備タクシー会社11社を参考にしてください。
よくある質問
Q. 都内でタクシー運転手になれるのは何歳からですか?
A. 原則は21歳以上かつ普通免許等の保有期間3年以上です。2022年5月13日からは受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・保有期間1年以上で二種免許を受験できます。
Q. 法人タクシーの運転手は何歳まで働けますか?
A. 法律上の上限はなく、各社の定年・継続雇用規定で決まります。60〜65歳定年のあと嘱託・契約社員として働ける会社が多く、帝都自動車交通のように定年後73歳まで勤務可能と案内している会社もあります。
Q. 個人タクシーは何歳まで営業できますか?
A. 新規の開業は65歳未満、許可の更新は75歳未満です。2023年の80歳への引き上げは過疎地などに限った措置です。
Q. 65歳以上のタクシー運転手に義務付けられていることはありますか?
A. 会社には、65歳以上の運転者に適齢診断を受診させる義務があります。65歳到達後1年以内に1回、その後3年以内ごとに1回が基本で、75歳以上は受診間隔が短くなります。
Q. 求人に「64歳以下」と書かれているのはなぜですか?
A. 年齢制限は原則禁止ですが、定年年齢を上限として正社員募集をする場合は例外として認められています。60歳以上向けに契約社員の求人を別に出している会社もあります。
Q. 年金を受け取りながら働くと年金は減りますか?
A. 賃金と老齢厚生年金の合計が基準額を超えると一部が支給停止されます。令和8年度の基準額は65万円です。
まとめ
都内タクシー運転手の年齢制限まとめ
- 下限は二種免許の要件で原則21歳、特例教習なら19歳
- 法人タクシーに法律上の上限はなく、会社の定年・継続雇用規定が「実際の上限」
- 定年は60〜65歳が中心で、70代前半まで乗務できる会社もある
- 個人タクシーは開業65歳未満・更新75歳未満
- 都内の法人タクシー運転手の平均年齢は55.3歳(令和8年8月末)で低下傾向
- 長く働きたいなら、定年と継続雇用の上限を応募前に確認するのが最重要
「自分の年齢で応募できる会社を知りたい」「定年後も長く働ける会社を選びたい」という方は、東京のタクシー求人一覧から条件を比較するか、無料相談をご利用ください。稼ぎ方の全体像を知りたい方はタクシー運転手の勝ち組とはどんな人?も参考になります。
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本記事の出典・ファクトチェック
| 記載内容 | 区分 | 出典 |
|---|---|---|
| 二種免許の受験資格(21歳・3年)と特例(19歳・1年) | 公式 | 警察庁・警視庁 |
| 都内の試験内容(45問・36問以上で合格) | 公式 | 東京タクシーセンター |
| 都内の平均年齢・人数(令和8年8月末) | 公式 | 東京タクシーセンター |
| 2019年度の平均年齢57.9歳 | 公式(業界団体の報道) | 日本自動車会議所(東京タクシーセンター発表) |
| 法人タクシーに法律上の上限年齢がないこと | 公式(研究機関) | ニッセイ基礎研究所 |
| 個人タクシーの年齢要件と80歳への引き上げ(過疎地等) | 公式(研究機関・報道) | ニッセイ基礎研究所・東京新聞 |
| 適齢診断の受診時期 | 公式 | 国土交通省 地方運輸局資料 |
| 大和自動車交通の定年60歳 | 公式 | 大和自動車交通 公式サイト |
| 帝都自動車交通「定年後73歳まで勤務可能」 | 求人票 | ハローワーク企業説明会資料(2026年6月) |
| 在職老齢年金の基準額65万円(令和8年度) | 公式 | 日本年金機構・厚生労働省 |
| 各社の二種免許費用負担に関する年齢条件 | 確認不可 | 公式サイトでは確認できませんでした |
| 運転手の口コミ | 口コミ | 本記事では使用していません |
参考URL
- 警察庁「第二種免許等の受験資格の見直しについて」https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/jyuken_tokurei.html
- 警視庁「受験資格」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/annai/other/tekisei02.html
- 東京タクシーセンター「業務のご紹介」https://www.tokyo-tc.or.jp/center/business/
- ニッセイ基礎研究所「個人タクシー運転手の上限年齢を80歳に引き上げる政府方針の課題」https://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=76213
- 国土交通省 中部運輸局「運転者適性診断」資料 https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/gian/hoan/mission1st-201807.pdf
- 大和自動車交通「タクシードライバーは何歳まで働ける?」https://www.daiwaj.com/service/topics/007
- 日本年金機構「在職老齢年金」https://www.nenkin.go.jp/service/yougo/sagyo/zaishokurorei.html
※本記事は2026年9月26日時点で確認できた公的機関・各社公式サイト・公開求人情報にもとづく参考情報です。定年・継続雇用の上限、求人の年齢条件、制度の基準額は変更される場合があります。応募の際は必ず各社の最新の募集要項・就業規則をご確認ください。本記事は特定の会社への入社を保証・推薦するものではありません。最終更新日:2026年9月26日




